委託と比べメリットが多い?正社員の大型ドライバー求人を探すには
働き方改革が叫ばれている近年、幅広い業界で正社員だけでなく派遣社員や契約社員、業務委託など、多様な契約関係で働ける環境が整いつつあります。
業務内容上、勤務する時間帯や労働時間にバラつきが出やすい大型ドライバーには、以前から正社員以外の労働契約も行われてきました。
今回は、大型ドライバー転職を考えるうえで知っておきたい正社員転職のメリットを、給料金額の目安や、正社員求人の探し方と合わせて解説。
また正社員の大型ドライバーとして働くことの魅力と一緒に、業務委託契約を結んだ大型ドライバーとして働くメリット・デメリットも紹介していきます。
正社員として大型ドライバーに転職したいと考えてるあなたに役立つ情報だけをまとめましたので、ぜひ最後まで目を通してくださいね。
- 委託の大型ドライバーになるって、どういうこと?
- 正社員の大型ドライバーに転職するメリットは?
- 正社員の大型ドライバー、給料の目安は?
- 正社員の大型ドライバー求人を探す方法
- 条件を明確にし、正社員の大型ドライバー求人を探してみて
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委託の大型ドライバーになるって、どういうこと?
正社員のメリットや給料実態の前に、まずは委託契約を結んで大型ドライバーになるという選択肢について、理解していきましょう。
◆業務委託契約は、依頼主との対等な契約関係
「請負」「委任」とも呼ばれる委託の大型ドライバーは、荷物の運搬を依頼する運送会社と対等な関係で契約を結び、仕事を引き受ける立場です。
つまり、運送会社との間に正社員のような雇用関係が存在しないのです。
その他、委託の大型ドライバーの特徴をまとめると、以下のようになります。
契約を結ぶ人 | ・基本的には委託ドライバーを管理する、請負会社 ・または個人事業主、フリーランスの大型ドライバー |
報酬への対価 | ・業務の完遂、仕事による成果=荷物の運搬、納品の完了 ・かかった時間に関係なく、業務が完了した事実に対し報酬が支払われる ・このため、報酬の換算は時間給や月給ではなく案件毎 |
勤務先 | ・請負会社、または個人の自宅や事務所 ・契約内容によっては、依頼主である運送会社に常駐することも |
業務の進め方 | ・基本的には自由 ・請負会社所属のドライバーは、請負会社の業務上指示に従う ・依頼主である運送会社が指示を出すのは「偽装請負」として法律で禁じられている |
なお、フリーランスの大型ドライバー個人が運送会社と業務委託契約を結び、仕事を引き受けることも可能ですが、実際には請負会社を通した契約が多いとされます。
これは、業務中の事故など何かあったときのリスクを考慮し、対応やサポートの体制が整った請負会社のドライバーを運送会社側が好む傾向があるためです。
◆業務委託契約を結び、大型ドライバーとなるメリット
ここからは、業務委託契約を結んで大型ドライバーとして働くことのメリットを、まとめてご紹介していきます。
・働き方を自分でコントロールできるため、調整次第で長期の休暇も取得可能
・決められた期限までに業務を完遂すれば、方法はある程度自分で決められる
・自分の得意分野や好みに合わせ、請け負う仕事をある程度選別できる
・一回の仕事で、または短期間の仕事で、大金を稼げる可能性がある
◆業務委託契約を結び、大型ドライバーとなるデメリット
一方で、業務委託契約を結んだ大型ドライバーとして働くには、以下のようなデメリットも付きまといます。
・個人で仕事を請け負う場合、営業の必要があり仕事の獲得に苦労する可能性がある
・一度仕事を引き受けたら、何があっても責任を持って業務を完了させなければならない
・仕事にかかった時間や労力に対し、報酬金額が見合わなくなる可能性がある
・個人が運送会社と委託契約を結ぶ場合は労働基準法が適用されないため、残業時間の規定や各種手当の支給、労災による保障・保護も受けられない
◆働き方へのこだわりや責任感が強いなら、委託ドライバー向きかも
仕事の進め方や時間の使い方への裁量が大きい一方で、何かあったときの保障を受けられないリスクも併せ持つ委託ドライバーという働き方。
安定性には欠けますが、成果主義で自由な働き方は、非常に魅力で気でもあります。
「リスクを取ってでも好きなように仕事・生活をしたい」「固定給よりも、自分の頑張りに応じた報酬を受け取りたい」という人には、向いているかもしれませんね。
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正社員の大型ドライバーに転職するメリットは?
ここからは、正社員として大型ドライバーに転職するメリットについて解説していきます。
◆一般的な「正社員」の定義は?
正社員とは、企業と以下のような要件を満たす雇用契約を結ぶ労働者のことです。
原則として…
・雇用する会社が規定する就労時間のうち、フルタイムで勤務している
・雇用する会社の中心メンバーとして働く代わりに、安定的な処遇を受けられる
・三六協定(後述)の範囲で、雇用する会社が指示する残業を義務付けられている
・解雇することが、厳しく制限されている
上記の要件を満たす社員のこと。
【三六(さぶろく)協定とは】
残業について、労働者(社員)と使用者(雇用主、会社)との間で労働基準法に基づいて書面上で締結される協定のこと。
「労働基準法第36条に基づく労使協定」であるため、通称「三六協定」と呼ばれる。
雇用主である会社側は、1日8時間・週40時間以上の残業を労働者に命じたい場合、三六協定を結んだうえ所轄労働基準監督署に届け出をしなければならない。
大企業では2019年4月から、中小企業においても2020年4月から、三六協定で定めた時間外労働に罰則付きの上限が設けられることとなった。
※参照:厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」
◆大型ドライバーの正社員になることのメリット
一般的な正社員の定義を踏まえて、正社員の大型ドライバーとして働くメリットを考えると、以下のようになります。
《解雇や契約終了のリスクが低く、昇進・昇給も期待できる》
正社員は、法律により解雇することが厳しく制限されています。
語弊を恐れずに言えば、多少仕事ができなくても、怠けていても、よほどの理由を示せない限り会社は正社員をクビにはできないのです。
このため、よほどの本人が不祥事を起こすか会社が倒産の危機にでも陥らない限り、解雇や契約終了を言い渡されるリスクはありません。
さらに、正社員には委託ドライバーにはない社内昇進・昇給の機会も与えられます。
このように、安定した仕事の供給が永続的に見込めること、また勤務期間が長くなるほど昇進・昇給の機会が得られる点は、正社員ドライバーの大きなメリットでしょう。
《毎月のまとまった給料に加え、賞与を受け取れる可能性がある》
案件毎の報酬を受け取る委託ドライバーとは異なり、正社員の大型ドライバーは以下のような内訳の給料を月額で、毎月ほぼ一定額受け取れます。
【正社員給料の内訳例】
固定給(基本給+職能給)、住宅手当・通勤手当・資格手当・育児手当などの各種手当、歩合給、残業代 など
これは案件毎に受け取れる報酬額が変わり、案件ひとつあたりの単価やこなす件数により月の収入が変動する委託ドライバーにはないメリットです。
さらに、正社員のみに認められた収入上の優遇のひとつに賞与・ボーナスがあります。
賞与は本来、企業から労働者側に支払いが義務付けられた報酬ではありません。「会社の業績を従業員に還元する」意味合いで、会社が自主的に支給しているものです。
そして原則、この賞与は正社員の規定に当てはまる従業員にのみ支払う、としている企業がほとんどです。
賞与を受け取れる可能性が発生するのは、正社員という雇用関係を結んだ大型ドライバーだけの特権と言えるでしょう。
《何かあったとき、労働基準法による保障を受けられる》
急に体調を崩したとき、業務中に事故に遭ったときなど、業務上・職場でのトラブルに巻き込まれたとき、企業と雇用契約を結ぶ正社員は労働基準法の適用を受けられます。
理不尽なハラスメントや違法な長時間労働の是正、労働災害の認定や保障を受けられるのは、雇用関係を結んだ委託ドライバーにはないメリットです。
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◆大型ドライバーの正社員になることのデメリット
対して、正社員の大型ドライバーとして働く上で被るデメリットとしては、以下が挙げられるでしょう。
《就労時間、仕事の進め方、働き方の自由度が低い》
どのような職種・業界であれ、正社員は会社が規定する就労時間を守り、違法でない限りは業務上の指示・命令に従う義務があります。
このため、正社員は仕事の進め方や働き方への自由度が低く、就労時間が長くなりがちな働き方と言えます。
《原則として、他社と雇用契約や業務委託契約を結べない》
社内規定にもよりますが、正社員は原則として他社との雇用契約や業務委託契約を並行して結ぶことができません。
これは、同時に複数社と委託契約を結べる個人やフリーランスのドライバーと比較したとき、大きな違いと言えるでしょう。
ただ、近年では働き方改革が叫ばれる時流柄、正社員に副業を解禁する企業も増えています。
詳しくは勤務先に問い合わせるか、労務規定を読んで確認してくださいね。
《本人の技術や才能への対価として、大金を受け取ることは難しい》
会社から正社員に支払われる給与は、ほぼ毎月一定額です。これは会社が得た利益を、経験や実績に合わせ全従業員に給料として分配しているため。
個人の能力が著しく秀でていて、個人の能力により会社に多大な利益がもたらされたとしても、正社員ひとりだけの給料が大幅に上がることはありません。
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正社員の大型ドライバー、給料の目安は?
ここからは、正社員として大型ドライバーに転職した場合に受け取れる給料額について、もう少し具体的に見ていきます。
◆正社員の大型ドライバーの給料は、年収450万円が目安
運送会社に所属して働く大型ドライバーの平均年収は450万円、月額にすると、毎月30~35万円の給料を受け取れる計算になります。
この平均年収450万円は、小型・中型のドライバーに比べると高額に設定されています。
小型・中型のドライバーと大型ドライバーに年収差が生じるのは、以下のような理由から大型ドライバーの方が仕事の難易度が高く、会社にもたらす利益が大きくなるためです。
《小型・中型に比べ、大型ドライバーの給料が高い理由》
・中距離、または長距離を数日以上かけて走ることが多く、労働時間が長くなるから
・大型トラックでしか運べない、単価の高い荷物を扱う可能性が高くなるから
ただし、この月額給料の内訳は会社によってさまざまです。
固定給が極端に少なく、みなし残業代や退職金の分割払いを含めて35万円というケースもありますので、実際の給料額は雇用先に確認してください。
◆正社員の大型ドライバーが、給料アップを狙うには?
大型ドライバーが正社員として給料を上げていくには、いくつかの方法が考えられます。
《昇進・昇給を狙う》
まず考えられるのが、現在勤務している運送会社内で昇進・昇給をめざす方法です。
昇進・昇給が認められる自由は会社によって異なりますので、直属の上司や先輩に相談すると共に、日々の業務で成果を上げ続け昇進の条件を満たしてください。
《単価の高い荷物を扱う運送会社に移る》
一般的により大きく、より安全運転が難しい車両が必要な荷物の運搬、または長距離の荷物の運搬では、依頼主から運送会社に支払われる運賃が高くなります。
つまり運搬の難易度が高く、距離が長いほど、会社にとっては利益となる案件なのです。
このような「利益を生む案件」を扱える大型ドライバーは、運送会社から見れば高い報酬を支払ってでも、正社員として欲しい即戦力人材でしょう。
大型ドライバーとしての経験・実績を持ち、さまざまな車両で安全に荷物を運搬できるようになったら、単価の高い案件をメインに扱う運送会社への転職するのもおすすめです。
《高報酬をめざすなら、追加の免許・資格取得を検討しよう》
大型ドライバーとして働くには、大型普通自動車免許があればOKです。
ただ、荷台への荷物の積み下ろしにフォークリフトを使用したり、トレーラーで荷物を引っ張る必要がある場合は、以下の資格も必要になります。
【大型ドライバーの収入アップに役立つ免許・資格】
フォークリフト運転技能者、けん引免許、玉掛作業者、危険物取扱者 など
付随する免許・資格が多いほど、扱える車両や荷物の幅が広がり、大型ドライバーとしてのあなたの人材価値もぐっと高くなります。
昇進・昇給をめざすにせよ、将来的に同業界・同職種での転職成功をめざすにせよ、働きながら資格を増やしていって損はありませんよ。
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◆正社員の大型ドライバーとして、安定した収入を得続けるには?
金額のアップよりも、長期にわたって安定した収入を得られることに重きを置くなら、単価の高さよりも需要が尽きない荷物を扱う運送会社に入るのがおすすめです。
例えば、平ボディと呼ばれる車種で巨大な鉄骨など建築資材を運ぶ仕事なら、建築物や構造物の建造や整備の必要性がなくならない限り、運搬の需要もなくなりません。
単価そのものは高くなくても、長期にわたる雇用と一定額の給料支給が見込めます。
◆正社員の大型ドライバーは、比較的稼げる仕事だと言える
労働時間や給料の内訳にさえ納得できれば、月額30万円程度受け取れる大型ドライバーの正社員は、他の職種と比べても「稼げる仕事」と言えるでしょう。
あなたに必要な給料額、そしてあなたが正社員として働くうえで求める条件を鑑みて、今後のキャリアと昇給について考えてみてくださいね。
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正社員の大型ドライバー求人を探す方法
最後に、正社員採用の大型ドライバー求人の探し方と、優良求人を見分けるために最低限チェックすべきポイントをご紹介します。
あわせて求人内容の具体例も示していますので、求人検索の参考にしてくださいね。
◆正社員の大型ドライバー求人の探し方
他職種と同じく、大型ドライバーの求人探しも、インターネット上の転職・求人サイトで行うのが主流です。
以下のようなサイトを使い、大型ドライバーの職種名で求人を絞り込んでみましょう。
《まず、たくさんの求人に出会いたいなら》
・転職業界最大手の「リクナビNEXT」
・大手、かつドライバー求人に強い「はたらいく」
《転職にあたり、年齢が不安要素になっているなら》
・アラフォー以上歓迎求人の「FROM40」
《優良、または大手運送会社の求人を見たいなら》
・トラックドライバー求人検索で1位表示される「ドラEVER」
・保有資格やからドライバー求人を絞り込みやすい「ドラコム.ネット」
・トラックドライバー求人に特化し、SNS発信も行う「トラックマンJOB」
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◆正社員の大型ドライバー募集には、どんな求人がある?
ここで一度、正社員の大型ドライバー求人の具体例を見てみましょう。
2020年1月現在、実際に「大型ドライバー求人 正社員」と検索してヒットした求人内容を参考にご紹介します。
《A社の場合》
業務内容 | 港に到着したコンテナ貨物をトレーラーでけん引しての輸送 |
運転距離 | 片道100~150㎞の中距離がメイン |
応募資格 | ・大型自動車免許、けん引免許を持つ人 ・実務未経験OK、はじめは先輩が横乗りで指導します ・年齢不問、40~50代ドライバーも活躍中! |
給料 | ・月額25~30万円 ・別途、割増手当の支給アリ |
休日 | ・日曜、祝日を含む隔週週休2日制 ・年末年始、お盆休み、GW休めます ・年間休日数103日 |
その他待遇 | ・3か月の試用期間アリ ・賞与アリ、年1回を目安に昇給アリ ・社会保険完備、退職金共済加入 ・交通費、昼食手当規定支給 |
《B社の場合》
業務内容 | ・大手スーパーへの冷蔵品ルート配送 ・台車を使っての荷物の積み下ろしアリ |
運転距離 | 1日あたり2~3件の配送(同県内) |
応募資格 | ・大型自動車免許を持つ人、実務未経験可 ・フォークリフト運転技能者を持つ人歓迎! ・免許取得、限定解除にかかわる費用補助制度アリ ・年齢不問、40~50代ドライバーも活躍中! |
給料 | ・月額30万円以上 ・給料額には、一律の手当が含まれています |
休日 | ・会社カレンダーに基づいた週休2日制 ・年末年始、お盆は時期をずらして振替アリ |
その他待遇 | ・深夜から早朝までの勤務をメインとした実働8時間 ・昇給アリ、年2回の賞与アリ ・対人保険会社負担、各種(無事故など)手当アリ ・交通費規定支給、退職金制度アリ |
◆正社員募集の大型ドライバー求人で、確認すべきこと
ネット通販の一般化によるドライバー不足のため、大型ドライバーの求人には年齢・経験にかかわらず、大型自動車免許を持っていれば積極採用するものが多いです。
いわば、転職者にとっては売り手市場なわけですが、だからこそ、転職者側が優良な求人を見極める目を持っていなければなりません。
大型ドライバーの正社員求人をチェックするときは、最低でも以下の項目を必ずチェックして、優良な求人だけを応募先に選んでくださいね。
《給料額とその内訳》
固定給30万円と、諸手当やみなし残業代を含む30万円とでは、収入の安定性がかなり違ってきます。
一見高額に見えても退職金がなかったり、違法な長時間労働を強いられる可能性があります。給料は金額だけでなく、必ず内訳まで確認してください。
《安全対策への意識》
運送会社にとって最大の損失は、業務中に従業員が事故を起こすことです。
このため一般的な運送会社なら、車両設備を見直しや保険をかけるなどして、自社と従業員を守るための安全対策を施しています。
待遇・福利厚生の欄をはじめ、求人を隅々まで読みこんで、求人を出す企業の安全への意識を探ってみましょう。
バックモニターやドライブレコーダーを搭載しない車体のみ扱っている、保険について記述のない企業は、要確認です。
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条件を明確にし、正社員の大型ドライバー求人を探してみて
大型ドライバーには、正社員だけでなく委託や派遣、契約社員として働く道もあります。
しかし労働基準法の適用による保護や、長期的に安定した雇用と収入を獲得したいなら、正社員を選ぶべきでしょう。
本記事を参考に自分のなかで条件を明確にしたうえで、正社員を募集する大型ドライバー求人を探してみてくださいね。
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